エア噛み対策など

油圧ディスクブレーキ輪行の注意点

For roadbikes assembled hydraulic disc brake

ロードバイクでもほぼ主流になった油圧ディスクブレーキですが、輪行はできるのか? どうやるのか? 気になりますよね。ということでディスクブレーキの輪行についてご案内します!

油圧ディスクの輪行に必要なアイテム

輪行袋とエンド金具といった基本の装備に加えて、油圧ディスクではパッドスペーサーなどが必要です。

輪行の基本セット

ワイドタイプの輪行袋について詳しく

エンド金具に注意

輪行時にエンド金具を取り付けた状態

パッドスペーサーは必須

オーストリッチのダミーローター

ローターカバーも必須

ディスク用のローターカバー

実際に輪行袋に入れてみましょう

基本的にはリムブレーキもディスクブレーキも輪行のやり方は一緒です。ディスクブレーキの場合の注意点を中心にご紹介します。基本的な輪行のやり方は『輪行袋(輪行バッグ)の使い方をマスターしよう!』のページをご覧ください!

ロードバイクを逆さにして前後輪を外した状態

ホイールを外す

まずはホイールを外します。ホイールを外すときは自転車をひっくり返すとバイクも安定して作業しやすいですし、ホイールをはめる時もパッドの隙間が見えるのではめやすくなります。ただしライトやサイコンが傷ついてしまうのでそういったもの外しておきましょう。輪行袋を下に敷いて作業すればレバーやサドルの傷防止にもなります。

ブレーキパッドの間にダミーローターを挟んだ状態

パッドスペーサーを挟む

ディスックブレーキ輪行において一番大事なのはホイールを外した状態でレバーを握らないこと。その状態でレバーを握るとブレーキパッドが出てきてしまい、自然には戻らなくなってしまします。それを防ぐために必ずパッドの間にスペーサーを差し込んでください。

エンド金具を装着

リアエンドにエンド金具を取り付けた状態

ブレーキレバーを固定してエア噛み防止

レバーをバンドで固定している様子

ローターカバーも忘れずに

ローターカバーをローターに装着している様子
ホイールとフレームの当たる場所をフレームカバーで保護している様子

ホイールを固定して袋に入れる

ホイールとフレームが接触する部分はフレームカバーでしっかり保護すれば傷などもつかないでしょう。

ホイールをフレームに固定する時不安なのがフレームへのダメージ。上手く固定できていなかったらフレームに傷が…カーボンフレームの場合なおさら心配ですよね。ディスクブレーキだとローターが曲がってしまったりという事も。

2本用ホイールバッグにホイールを入れた状態

ホイールバッグを使用するのもあり!

フレームへの傷などが心配ならばホイールはホイールバッグに入れて別持ちするのも一つの方法です。薄手のナイロンで作られているホイールバッグならばたためることができ、バッグに入るぐらいの大きさにはなります。ただ荷物の数が増えるので電車内では他の乗客の方に迷惑にならないよう置く場所など注意が必要です。

組み立てる時の注意

クイックレバーの締め込み具合の調整をしている様子

ディスクブレーキ輪行のトラブルシューティング

ここからは、ディスクブレーキモデルで輪行した場合に起こり得るトラブルとその対処法をご紹介します!

パッドスペーサーの代わりに紙を挟んで対応している様子

パッドスペーサーがない…

パッドスペーサーを忘れたり、落としたり、無くしてしまう。そんなこともあるかと思いますが安心してください。パッドスペーサーがないときは厚紙や段ボールなどでも代用はできます。コンビニでお菓子を買ってその箱を使うという手もありますね。油分がついていないものでブレーキパッドの隙間に入るものであれば何でも大丈夫です。厚みが足りなければ折りたためばOK!

レバーを握ってしまいブレーキパッドが押し出されてしまった状態の写真

レバーを握ってしまった…

あまり起こる事ではないですがホイールを外した状態で、ついブレーキレバーを握ってしまった時、パッドスペーサーをしていれば問題ないのですが、そうでない場合はパッド(ピストン)が出てきてしまいディスクローターの入る隙間がなくなってしまいます。そんな時はパッドを押し戻しましょう。

マイナスドライバーでパッドとピストンを戻している作業をしている様子

ピストンの戻し方

携帯工具が手元にあればマイナスドライバーなどでこじってパッドを押し広げれば元に戻ります。ただし注意点として工具に油分が付いていないことが絶対条件です。アルコールが入ったウェットティッシュで工具を拭いたり、紙やティッシュを巻いた状態で使うのもあり。パッドの隙間がそれなりにあれば割り箸や木の枝を使うという手もありますね。

ブレーキレバーを握っている写真

ブレーキレバーがスカスカに…

輪行して無事現地に付きホイール固定してブレーキの調子確認のためレバーを握ってみたらスカスカなんてことも。そういった場合は何回かレバーを繰り返しゆっくり握ってみてください。だんだんとレバーが固くなって回復してきます。

レバーのオイルタンク内などにあったエアが輪行で自転車を逆さにすることでホース内に入り込んでしまうことが原因です。レバーを何回か握ることでエアがタンクに上がり、もとの状態に戻り回復します。

基本的にはしっかりエアが抜けていれば輪行してもレバーがスカスカになることはないので、そういった症状があった場合は一度エア抜き作業をオススメします。

ローターが擦ってしまう

スルーアクスルだとあまり起きないのですが、クイックレバータイプのホイールだと締め付けの強さでブレーキのセンターがずれてローターがパッドに接触することもあります。一箇所擦っている場合は気になるものの走行上問題はありません。ローター片側が全面擦っているようであれば調整が必要です。

調整の前にまずホイールを固定し直してみてください。ホイールが斜めにはまっているだけだったり、レバーの締め付けの微調整で解決する場合もあります。ただし危険なので緩めすぎは禁物です。

それでも直らない場合は調整が必要。出先で行うのはなかなか難しいですが、ブレーキキャリパーを固定しているボルトを緩めてセンター出し、ローターが曲がっているようであれば修正します。

その際便利な工具もあります。使い方を含め以前書いたブログ『こんな工具が欲しかった!ローター左右のあの僅かな隙間を左右均等にするディスクローターセンタリング工具他』を参照してください。

ディスクローターでフレームを傷つけないようにするためにチェーンステーのにカバーをしている写真

フレームに傷がつくのが怖い…

ホイールを脱着する際、ディスクローターがフレームに接触して傷をつけてしまう恐れがあります。フロントでそういった事が起こるのは少ないのですが、リアは変速機がついている関係で、ホイールの脱着の際にローターがフレームに接触して塗装が欠けてしまう事が多々あります。

輪行するときは多少の傷は覚悟してのぞむほうが気が楽ですが、もし傷が気になるようであれば接触してしまいそうな箇所に厚めのシリコンテープなどで養生しておくのもい良いでしょう。タオルやフレームカバー、ローターカバーなど手持ちのものでガードするのもありかと思います。

ホイールの脱着もバイクを天地逆さまにしておこなうとパッドの隙間などが確認しやすく、トラブルも少なくできると思います。

あとは実践あるのみです!

輪行袋に収納する一歩手前の自転車の状態
輪行袋の講習会の様子
輪行をマスター

輪行袋の使い方講習会

実際に輪行袋に自転車を入れてみましょう。バイクプラスで自転車を購入した方は無料で参加いただけます。
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みどり湖駅のホームに輪行袋を置いて電車と一緒に撮影
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